戦法の思想 棒銀

将棋の戦法の思想の紹介をします。

将棋にはたくさんの戦法があります。例として挙げると有名な棒銀戦法、矢倉戦法、四間飛車などです。

これらの戦法はどのように一局の将棋を戦うかといった大きな戦略にあたるものですが、初期のころはよくわからずなんとなく指している人もいると思います。
ちなみに私は気に入っていた棋士の戦法を使っていましたが、意味はよくわかっていませんでした。
なんとなく好きな棋士の真似をしていたという感じでしょうか。
戦法の考え方は戦法を決めてある程度指していると自然にわかってくるものですが、戦法の基本的な考え方を知っておくと役に立つことが多いので初級者から中級者向けに紹介します。
戦法の大まかな意味がわかってくると方針が立てやすく勝ちやすくなると思います。
第一回は棒銀です。

棒銀には様々な種類がありますが、今回取り上げるのは相居飛車の棒銀です。
相居飛車の棒銀には角換わり、相掛かり、矢倉などがありますがどれも基本的に思想は同じです。
主に大きく分けて3つの狙いがあります。

それでは棒銀の大きな3つの狙いを紹介します。

① 敵陣を突破する。

一つ目の狙いは単純な敵陣突破です。飛車と銀、場合によっては角も使って相手の守りを突破してきます。
単純な攻撃ながら破壊力が高く、初心者の頃であればこれだけでもかなり勝てるでしょう。
相手が強くなってくるとそう簡単には突破できなくなりますが、それでもこの直線的な攻撃は脅威です。

単純な突破が決まった例

② 攻めの銀と守りの銀を交換して、その銀を使って別の攻め筋から攻める。

二つ目の狙いは、銀を交換して交換した銀を使って別のもっと強烈な攻めを行うことです。
一つ目の狙いの通り敵陣を突破できれば話は早いのですが、守備態勢を取られるとそう簡単にはいきません。
そこで、敵陣は突破できないものの、銀を交換して別の攻め方を考えます銀を交換すると持ち駒になった銀は自由に相手陣に打ち込めるので攻め幅が広がるのです。

手持ちの銀を香車を釣り上げて2三の地点の突破を狙った成功例

③ 相手の駒組を制限する

3つ目は駒組制限です。棒銀は非常に強力なので守備側はしっかりとした受けの体制を整える必要があります。
さすがに万全の準備をされると棒銀といえどもすぐに攻めることはできません。
しかし、棒銀に備えた駒組をさせることで相手に自由に駒組をさせないことができます。
相手の動きをある程度制限して、自分に有利な駒組をして有利に進めるのが3つ目の狙いです。
強くなってくるとだいたい棒銀の戦いはこのパターンになります。
この3つが主に棒銀の考え方になります。
初心者や初級者で上達を目指す人は棒銀戦法を学ぶ際にこれらを頭の隅に置いておくといいと思います。
そうすることで理解が深まるはずです。