勝利眼を磨く

勝利眼の正体は膨大な経験や知識に基づく直観であると考えられます。

それならば経験を積んでいけば勝利眼を鍛えられるということになります。しかし、考えてみるとずっと将棋を続けて経験を積んでいるにも関わらず、棋力がほとんど伸びていないといったことは当たり前のように起こっています。

これは一体どういうことなのでしょうか?

また、ある程度まで伸びたあと頭打ちになってしまうのはどういうことなのでしょうか。

この答えはアンダース・エリクソン氏の見解が参考なります。エリクソン氏は様々分野の達人について、多角的な角度から調査をしており、その道の達人たちがそのレベルに達するまでに行った共通の原則を発見した人物です。この原則はPEAKとして知られ、その中心となるのが意図的練習という概念です。

意図的練習は一流になるための訓練方法なので、ちょっと将棋が強くなりたいという人には関係ないと感じるかもしれません。しかし、意図的練習が意味するところは伸び悩みしないための練習法ということなので参考にすることは価値のあることだといえます。超一流のプレイヤーは頭打ちにならない練習を長年続けた結果、その境地にたどり着いたというのがエリクソン氏の結論であり、才能といったようなものは関係ないとしています。実際エリクソン氏は訓練なしで超一流の技を身に着けた人物を一人も知らないといいます。

正しい練習、つまり意図的練習を行えば着実に物事は上達するということです。逆にこのような取り組みをしなかった場合、頭打ちになってしまいます。かつてはこれは生来の才能や能力の限界だと思われてきたものですが、エリクソン氏の研究はこれを打ち破り、着実に伸びる可能性を示しています。

それでは意図的練習とはどのようなものかみてみましょう

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