意図的練習についてはメイン戦略となるので少し深く触れていきます。
意図的練習とは簡単にまとめると以下のようなものです。
- コンフォートゾーンを超えて練習すること
- 全ての力を出しきる集中的練習であること
- フィードバックをしっかりと受けられること
- 小さな改善目標を設定して乗り越えていくこと
このうち2,3,4については重要ではありますが、あえて説明する必要はないと思います。
ただし①についてはエリクソン氏が定義した言葉なので、少しかみくだいていきます。
①コンフォートゾーンを超えるものであること。
このコンフォートゾーンというのは何も意識しなくてもすでにできる部分のことです。
コンフォートとは快適という意味で苦労することなくできることというとわかりやすかもしれません。
一つ例を出すと利き手で字を書くのは簡単です。しかし、右利きの人が左手で字を書く練習をした場合、これは快適ではありません。これがいわゆるコンフォートゾーンを超えた練習ということです。
つまり、簡単にはできないことを練習するという風に理解しておくとよいと思います。
このような上達する練習というのは音楽やテニスの分野ではある程度、先人たちにより切り開かれています。エリクソン氏はこの道筋について、先人によって道が示されている場合はその指導を受けることを進めていますが、そうでない場合については3つのFという考え方に注目し、練習を重ねることで上達が見込めるとしています。
この3つのFというのは以下のようなもので、Fとはイニシャルからとったものです。
1 フォーカス(集中すること)
2 フィードバック(結果を受け取ること)
3 フィックス (修正、つまり改善すること)
この3つのFは達人への道が整備されていない分野における上達において重要な意味を持つとエリクソン氏は指摘しています。
では将棋はどうでしょうか?
将棋の場合は先人たちによりある程度は上達法は明らかになっているといえます。古来より、上達に効果のあると言われる方法はいくつか存在しています。しかし、何年も棋力が伸び悩む人が多数いるのも事実です。
そこで、伸び悩まないために意図的練習を意識しながら、この3つのFにあてはめながら棋力向上の方法を模索していくのが良いでしょう。
次にこの3つのFの中から参考になる考え方としてマージナルゲインを紹介します